2007年8月、東京の某DVDメーカーが販売していたチャップリンの低価格DVDがすべて販売中止となりました。
チャップリン映画の著作権を管理しているリヒテンシュタインの団体が「著作権法違反である」としてこのメーカーを相手取り、訴訟を起こしたのです。
裁判において争点となったのは、やはりパブリック・ドメインの問題でした。→こちらのページ(★リンク:「著作権は大丈夫?」★)を参照
チャップリンが亡くなったのは、1977年12月であり、死後30年間が経過しています。今回のケースでは、チャップリンの映画が公開された当時の旧著作権法が適用されるため、パブリック・ドメインの満了期間は38年間です。つまり、2015年までは著作権が生きていることになり、裁判所はこの事実をもって、メーカー側にDVDの販売差し止めと賠償金支払を命じたことになります。
これに対して、DVDメーカー側は異なる見解を示しました。自分たちがソフト化し製造・販売していたチャップリンの映画は、1919年から1952年にかけて公開されたものであり、また映画が一人の手で完成されうるものではない以上、著作権はチャップリン一人に認められるものではないので、作品そのものの著作権はすでに消滅している、と主張したのです。
この問題は、著作権というものが最終的に誰に帰属し、そのうえでパブリック・ドメインがどのように解釈されうるものか、を端的にあらわした一件といえます。
集団で作っている映画の場合、著作権はだれに課せられるのか(映画製作における実質的な最高権力者は、プロデューサーなのだから、著作権が監督だけに帰属されるのは明らかにおかしい、とする議論もある)、過去の作品の著作権を主張する場合、果たして当時の著作権法に照らし合わせて考えるべきなのか否か。このあたりの問題は、判断が微妙なだけに、今後もおなじような問題が続出するのではないでしょうか。
私たち映画ファンはただコンテンツを楽しむだけの立場ですが、権利関係レベルではこうしたいろいろな事情もあるのです。
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